福岡心霊スポット体験談 NO.7



犬鳴峠(4)






投稿者 Jimmy 様



今はもう退社したんですが、会社に物凄く霊感が強いコがいました。

名前をKちゃんとしましょう。そのKちゃん達と1泊2日で、私が主催した会社の合宿研修に行った時の話です。

6年前の夏。

僕の会社は福岡にあります。

研修施設は会社から車で小一時間程走った所にあるのですが、その途中で犬鳴峠を通ります。

研修はショップの店長研修で、店長達の他にも本部スタッフも加わって総勢約30名程。

当日の朝は会社まで研修施設のバスで迎えに来てもらい、犬鳴峠を通って施設に向かいました。

会社を出て20分程走ると峠に差し掛かります。

地元では有名な心霊スポットなので、バスのなかでもやはりその手の話になりました。

峠のトンネルの入り口にある電話ボックス(今は撤去されてもうありませんが)など、スポットは至る所に…。

昔ここで、生きたままの人を焼き殺すという事件があり、

しかもこの事件の被害者も加害者も知り合いの知り合いと言うこともあり、

そんなことも手伝って好きになれない場所です。

…そんなことも思い出しながらいると、バスは峠を抜けて研修施設に僕達を運んできました。

この時点ではまだ何も起こっていませんでした。

いや…そう思っていました。                       

研修施設に着いた我々は、翌日の昼過ぎまでの1日半の時間をみっちり過ごしました。

全ての日程を終えて、玄関に着けてもらった施設のバスで

昨日来た道をまた会社に向かって送ってもらうことに・・・。

バスに乗り込むと、Kちゃんはすでにバスの乗り口のすぐ後ろのシートに座っていました。

「中途半端な場所に座ってるなぁ」と思ったのを覚えています。

バスに乗り込むと、一番後ろの向かって右端が空いています。

研修の講師役をやっていた私は、少々疲れ気味だったこともあり、

できるだけ端っこに座りたくてその席に座りました。

全員が乗り込んだのを確認してバスを発車してもらいましたが、

バスが走り始めてすぐからなんだか頭が痛い・・・。

全身に悪寒が走って吐き気もひどい・・・。

疲れたからなのか、バスに酔ったのか・・・そう思いながら、

じっと目をつぶってシートにぐったりもたれていました。

時々目を開けて外の景色を見ても気分はすぐれません。

しばらくすると峠に差し掛かり、トンネルの中へ。

気分は一層悪くなるばかりで、「会社までもつかな・・・」そんな弱気になっていました。

バスの中はみんなも少し疲れたのか、眠っている人もいて来る時より静かです。

トンネルに入って5分ほどで福岡側へ抜けて、外の景色がまぶしく目に入ってきました。

その時です。

今まであった頭痛も吐き気もだるさも、うそのように一気になくなりました。

「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!! なに〜!?」

たった今までのはなんだったんだろうと思うくらい体が軽い。

「???」と思いながらも、体が軽くなったのでひと安心。

すっきりした気分で車窓を眺めながら、会社まで戻りました。

バスから降りた一行はそこで散会することに。

その時、Kちゃんが私の元に駆け寄って来たのですが、

なんだか神妙な面持ちです。

Kちゃん「あの〜・・・」

私「ん? どうした?」

Kちゃん「さっきのバスですけど・・・。乗ってたんです。」

私「え?なに??」

Kちゃん「バスの中に、いちゃいけない人がいたんです。」

私は何のこと言ってるのかわかりません。

私「いちゃいけない人?? なに????」

Kちゃん「この世のものじゃない人・・・。乗ってたんです。」

私「!!!!!!! え〜〜っっっ!!」

ここからはKちゃんが言ったことです。

「私、一番にバスに乗ったんです。そしたらバスの中に、寂しそうな女の子がいたんです。

すぐにこの世のものじゃないってわかりました。長い髪で青白い顔をしてうつむき加減で・・・。

その人は多分高校生くらいで、若くして亡くなっています。

私たちみんなが楽しそうにしているのを見て、自分もそこに居たいと思って来ているのがわかりました。

すごく恐かったんですけど、危害を与えたりしないって思えたからみんなには言わずにいました。

でも、やっぱり恐くてずっとその女の子がいるところをずっと気にしながら見てました。

え?どこに座っていたかって?

・・・○○さん(私のことです)が座っていた所です。

横じゃありません。○○さんは、その子の上に座ってましたよ。

ずっと重なっている状態でしたよ。」

・・・私はやっとの思いで彼女に尋ねました。

私「・・・その女の子は、ずっとバスの中にいたの?」

Kちゃん「しばらくいました。そう・・・トンネルを抜ける所まで。

トンネルを抜けた途端、スーッと山のほうに飛んで居なくなりましたよ。」

私が気分が悪かった訳がわかりました。

一気に気分が良くなったのも理解できました。

Kちゃんは、とりあえずお祓いはしておきますね、と言うと、

何やらつぶやくと私の背中をぽんぽんと軽くたたいて、

「ハイ!終わり!」とにっこり微笑んでいます。

少し気を取り戻した私は、Kちゃんに

「他には何もなかったの? 誰も居なかったの?」

と尋ねると、彼女はにっこり笑いながらこう言いました。

「帰りは、他に何も居ませんでしたよ。

あ、でも行きがけの峠の上り口のマンションみたいな所?

そこの一番上から山のほうをじっと睨むように見てるのが1人と、

トンネルの入口の手前の電話ボックスの中に1人、外に1人居ました。

そのうちの1人は、バスの中をスッと横切って行きました。

恐かったですぅ。」

場所が場所だけに、今思い出しても鳥肌が立ちます。








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