和歌山心霊スポット体験談 NO.1



 加太砲台






投稿者 あぬ 様



これは僕が初めて心霊体験をした時の話です。

僕の田舎は和歌山県で、海山に囲まれた自然溢れる田舎です

太平洋に面しているので、戦時中は高台に弾薬庫や砲台があったり、

外からの敵に備えて配置されていたそうです。

僕が小学生の頃、加太という地元では有名な海水浴場に合宿するというのが、うちの学校では恒例でした。

加太には全国でも珍しい人形を供養する神社があり、たまに髪が伸びる人形とかで心霊番組に登場します。

さらに、この土地には戦時中の弾薬庫や砲台があり、今でも当時のまま残されています。

ちょっと話が飛びましたが、そんな場所で合宿をするのです。

先輩からは合宿所に幽霊が出るとか、開かずの間があるとか怖い話を聞かされてました。

さらに、メインイベントとして、

夜合宿所からさらに山奥に入ったとこにある弾薬庫で、肝試しを行うという行事があるんです。

これがハンパなく怖くて、倉庫内に蝋燭を灯し、怪談を行い、

話が終わると蝋燭の火を一つづつ消して、どんどん暗くしていくんです。

その間、男女1人づつペアで懐中電灯持ち、弾薬庫から合宿所まで帰るという、

一見愛が芽生えそうな行事なんですが…

山中には先生達が隠れて脅かしたりするので、ビックリしすぎて崖から落ちそうになったりする人もいるとか。

大体女子は半数以上泣いて帰ってきます

男子も足がガクガクになります。

説明が長くなりましたが、想像して下さい。

ただでさえ、夜に山の中を歩くのすら怖いのに、弾薬庫で怪談話聞かされて恐怖がピークになってるんですよ?

大人でも怖いです。

さてさて、ここから本題です。

昼にバーベキューなどして、わいわい遊んで楽しんで合宿を満喫してました。

食べた後は夜に行く弾薬庫を見に行きました。

途中の道は本当に木々が鬱蒼と生い茂り、戦時中見つかりにくいような道になっていました。

こんなとこ通るんだね〜、

とかいいながらまだ余裕をかましてたんですが、その雰囲気は一気に不安と恐怖に変わりました。

怪談を行う弾薬庫に着くと、あまりの生々しさにみんな顔が強張りました。

先生が、

「ここで弾が不慮の事故で爆発してしまい、中の兵隊さん達がなくなられたんだよ。

ほら、天井や壁に今でもその時の肉片や血が染み付いて取れないんだ」

弾薬庫は、大きさが10mくらいで奥行きがかなりありました。

そして、至るとこに血がべっとりとついていて、異様な雰囲気を醸し出してました。

ただ、子供の立場から見てもそれは人工的なものだとわかるような、ペンキの赤でした。

みんなは、

「なんや〜!作り物やん!怖ない〜」

って、言っていましたが、やはり薄暗い倉庫の中に赤い血の様なものは気味が悪いです。

若干霊感があった僕は、何かしらの違和感を感じていました。

そして夜。

いよいよ肝試し開始です。

時刻は夜の8時、辺りはすっかり暗闇です。

合宿所から列を作って、弾薬庫目指し歩いて行きました。

昼に通った道は、全く別の表情になり、月明かりすら遮る木々に囲まれ、

先導の先生の懐中電灯の灯りしか見えないくらいでした。

もうすでに怖くて泣いてる子もいました。

僕も漏らしそうなくらい震えてました。

20分くらい歩いたでしょうか、目的の弾薬庫に到着。

中には両サイドの壁に5本くらいづつ蝋燭が灯されていて、薄暗く赤々と燃えていました。

その火に照らされて、天井の血糊が不気味に映し出されていました。

正直こんな恐ろしいとこに入りたくなかったです。

長椅子が数台置かれて、そこに順々に座っていきました。

背の順で並んでいたため、一番後ろの僕は倉庫内の一番奥に座らせられました。

この場所、かろうじて蝋燭の灯りが届くような、一番怖い特等席だったんです。

後ろを振り向くと、まだ奥行きがあり、深い闇が広がっていました。

これは見てはいけないと思い、ひたすら早く自分の番が来るのを願ってました。

全員着席すると、合宿所のスタッフの人が前説をしだしました。

「毎年行っているこの肝試しですが、今回は少し様子が違いますね。

ほら、風なんか吹いてないのに、蝋燭が揺れてますよ。

この倉庫内で亡くなられた兵隊さん達が、集まってきているんですよ」

なんて、ふざけたこと言いやがって、ほんまに泣きそうになりました

と、ここでアクシデント。

蝋燭が一本急にフッと消えてしまったんです。

これには全員キャー!!の悲鳴。

一本消えただけで、弾薬庫内はぐっと暗くなったんです。

さらに消えた火はつけないとかほざいて、暗いまま話が続きました。

スタッフの人が、地元加太で起きた実話の怪談をし始めました。

海水浴での事故、崖からの飛び降り、戦争の話等。

一話終わると一つ蝋燭を消す、外に出る順番が遅いほど暗闇に恐怖するんです。

五分おきくらいに二人づつ出ていくので、ラスト10人くらいはほぼ真っ暗…。

そろそろ僕の番だとソワソワしてた時でした。

一瞬背中の辺りに風が通った様な気がしました。

ぞくっと一気に全身に鳥肌が立ち、やばい!って感じがしました。

後ろを誰か通った。

誰もいないのに…、後ろは見ちゃだめだ、何かいる。

ガタガタ次第に震えだし、心臓がバクバクいいだしました。

…っっぅう!!

ふと目を横の壁に向けた瞬間、それは目に入りました。

壁にある幾つかの扉から、身を乗り出してこちらを向いている兵隊さんが!!

その姿はぼんやりと透明で、帽子と軍服を着ていて、表情は目が細くつり上がり、

口は確認できなかったけど無表情の能面のようでした。

っうぅっ!!

声にならない声が出ました。

直ぐに目を閉じ、下を向いてこっちに来ないで来ないで!ってひたすら願いました。

その様子に気付いたのか、先生が近寄ってきました。

先生「どうした?」

僕「そこの壁に人が!」

先生「扉だけだぞ?蝋燭の灯りと見間違えただけやろ」

恐る恐る壁を見ると、何もなかった。

多分恐怖心から錯覚したんだろうと言い聞かせ、落ち着け落ち着けと深呼吸をしました。

……

………。

誰かが後ろから歩いてくる。

サッ、、、サッ、、

微かだが聞こえる足音。

他の人は聞こえてないみたいだ。

ザッ……ザッ…

足音はさらに大きくなり、斜め後ろまで近づいて来た。

その時、僕の番が回ってきて名前を呼ばれた。

助かった…

そそくさと前に行き、相手の女の子と弾薬庫を出ました。

残った友達から、泣くなよ〜!って冷やかされたんで、うるさいわ!って倉庫内に振り向いたんです。

わっ!!

残り人数が少なくなり、誰も座っていない椅子の側にボーッと直立している兵隊さんを…。

10人くらい、暗くてはっきりわかりませんでしたが、横一列になってこちらをただ見つめていました。

文章が長くてすいません!それから、不思議な体験をするようになりました。

これがきっかけだったのかな。









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